日銀の国債保有が3分の1を超える

 

日銀が発表した1~3月の資金循環統計によりますと、2016年3月末時点の日銀の国債等保有残高は前年比33%増の364兆円となり、残高全体に占める割合は34%と過去最高となりました。

 

大規模緩和を始める直前の13年3月末は13%でしたが、15年9月末に30%台に乗せたあとも伸びています。

 

大量購入とマイナス金利政策で、国債が一段と買われ価格が上昇(利回りが低下)し、新発10年物国債の利回りはマイナス圏に低下しています。

 

米国の中央銀行に当たるFRBの米国債保有残高は、3月末時点で2.4兆ドル(270兆円)、残高全体に占める割合は13%です。

 

日銀は、長期国債の保有残高が年約80兆円増えるペースで市場から購入し続ける方針ですが、国の発行予定額や民間の保有量から見て買い入れには限度があります。

 

マイナス金利幅の拡大には銀行業界が反発する可能性が高いため、市場関係者の間では、日銀は今後ETFの購入枠拡大に向かうとの見方があります。

 

金融政策や財政出動も必要ですが、潜在成長率を高めるための規制緩和や成長戦略をより加速することが求められています。