相続診断士の山下です。

月曜日は、お勉強ブログ。
相続なんて関係ないと思わないでください。
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相続シリーズ(7)をお届けします。

例えば
「全財産を長男に相続させる」
など特定の相続人に譲るといった内容や、
相続人以外の第三者にすべての財産を譲る

といった内容の遺言であった場合、
遺言に従うと本来は遺産を受け継ぐ権利のある人が、
全く受け取れないことになってしまいます。

 

そこで民法では、
遺族の法定相続人としての
権利や利益を守るために、
遺族が相続できる最低限度の相続分を
「遺留分」という形で規定しています。

 

遺留分が認められているのは、
被相続人の配偶者、
直系卑属(子、孫、ひ孫)、
直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母)
についてだけです。

 

被相続人の兄弟姉妹には認められていません。

 

遺留分の割合は、
相続人が誰かということと、
その組み合わせによって異なります。

 

被相続人が特定の相続人や
第三者に贈与または遺贈
(遺言により財産を贈与すること)をし、
それによって相続人の遺留分が侵害された場合、

侵害された相続人は、
贈与または遺贈を受けた相手に対して
財産の返還を要求する権利があります。

 

例えば、相続人が長男と長女の二人で、
遺言に「長男に全財産を相続させる」とあった場合、
長女は長男に自らの遺留分である遺産の4分の1を
要求する権利があります。

 

ただし、遺留分を侵害する内容の遺言であっても、
侵害された相手から要求がない場合は、
相続は遺言どおりに行われます。

 

遺留分の放棄は
相続人本人の意思でなければできず、
遺言に「遺留分の放棄をすること」と
書いてあっても法的には無効となります。