インド自動車工業会が発表した
5月の新車販売台数は、
前年同月比5%増の約27万台でした。

 

7か月連続で前年実績を上回りました。

 

全体の8割を占める乗用車の販売が、
前年比5%増、商用車が4%増となりました。

 

一方、中国汽車工業協会が発表した
5月の新車販売台数は、
前年同月比0.4%減の約190万台にとどまり、
3年半ぶりに2か月連続のマイナスとなりました。

 

これまで好調だった海外大手メーカーが、
特に不振に陥っており、シェア首位のVWが2割減、
2位のGMが4%減、3位の現代が1割減となっています。

 

原因は、
これまでマイカーブームに支えられてきた中国市場でしたが、
景気の先行き懸念が一般消費者の間にも広がりつつあり、
新車購入を先延ばしするケースが増えているためです。

 

また、2015年の中国新車需要は、
2500万台強と世界の4分の1を占める見通しです。

 

しかしながら、世界の大手メーカーが殺到し、
相次いで大幅増産に動いた結果、
2015年末時点での中国全体の生産能力は、
4000万台以上に急増するという予測もあります。

 

景気減速で需要が鈍っているにもかかわらず、
各社ともシェア低下を恐れて能力増強を止められない状況です。

 

この結果、在庫が急増しており、
各社とも値引き競争を招く悪循環に陥っています。

 

最大市場の異変は、
世界の自動車産業の経営リスクとして急浮上してきています。