厚生労働省が発表した4月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、
物価変動の影響を除いた実質賃金の指数は、
前年同月比で0.1%上昇しました。
上昇は2年ぶりです。

 

実質賃金とは、
名目の賃金指数を消費者物価指数(CPI)で割って計算し、
プラスなら物価上昇を超えるペースで賃金が上昇していることを示します。

 

3月は、2.7%のマイナスで、
4月になって実質賃金が急上昇したのは、
消費税が昨年4月に3%引き上げられた影響が、
対前年比で見ると今年の4月からなくなったことが大きいです。

 

加えて、大手企業が、円安などによる好業績を背景に
ベースアップを実施し、サービス業を中心とする人手不足も手伝い、
賃金の伸び率が物価の上昇率を上回りました。

 

賃金の名目値を示す一人あたりの現金給与総額は、
前年同月比0.9%の増加でした。

 

4月の失業率は3.3%と18年ぶりの低さで、
人手を確保したい企業が賃金を増やす動きが広がっており、
賃金は目先強含みで推移しそうです。

 

経団連がまとめた今年の賃上げ率(一次集計)は2.59%で、
この分は5月以降の賃金に本格的に反映される見通しです。



(多くの企業は、実務が間に合わないため、4月の賃上げ分を
1か月遅れの5月の給与で支払います。)

 

従って、実質賃金が今後も上向き続けるかは、
物価次第となります。

 

特に、為替による輸入物価と原油価格の動向がポイントになるでしょう。

 

消費増税による個人消費のもたつきを脱し、
アベノミクスが目指している経済の好循環がようやく動き始めました。

 

詳細は、厚生労働省のHPをご覧下さい。 www.mhlw.go.jp/