マイナス金利政策導入後1カ月以上経過しましたが、住宅ローン金利について固定型は低下しましたが、変動型はほとんど下がっていません。

主要銀行は、貸出金利の基準の一つである短期プライムレート(短プラ)を引き下げておらず、変動型の住宅ローン金利はこの短プラを指標に決めるため、ほとんど下がっていないのです。

プライムレートとは、銀行が財務内容や業績が良い優良企業にお金を貸す際に適用する最優遇貸出金利を指します。

短プラは、1年未満の短期貸し出しの基準金利で、中小企業や個人向け(変動型の住宅ローン・教育ローン・自動車ローンなどの金利)の貸出金利の基準として使われています。

短プラは、現在は年1.475%が多く、2009年1月から据え置かれ、2001~2006年につけた過去最低の1.375%を上回ったままです。

預金金利の下げ幅が限られる中で短プラを下げると利ざやが縮小し、銀行の収益が減少するという事情があります。

また、短プラは中小企業向けの貸出金利の基準にもなっており、マイナス金利政策の恩恵が大企業など一部にとどまり、中小企業に届きにくい構図となっています。