世銀が世界成長率の見通しを引き下げ

 

世界銀行は、2016年の世界の実質国内総生産(GDP)成長率を2.4%に下方修正しました。

 

1月時点では2.9%を見込んでいましたが、資源輸出国の大幅な成長鈍化で0.5%引き下げました。

 

内訳は、先進国が1.7%、新興・途上国が3.5%とそれぞれ下方修正しました。

 

特に下げ幅が大きいのは新興・途上国の資源輸出国で、成長率は0.4%と1.2%下方修正しました。

 

先進国の減速も深刻で、日米もそれぞれ0.8%下方修正となりました。

 

日本は、個人消費の低迷と輸出の伸び悩みで0.5%成長にとどまると予測しています。

 

米国は、輸出やエネルギー関連投資の不振で1.9%にとどまるとみています。

 

中国は6.7%、インドは7.6%と資源輸出に頼らない新興国は底堅い見込みとなっています。

 

一方、政情不安のあるブラジルは17年まで3年連続のマイナス成長の予測で、

ロシアの16年は1.2%のマイナス成長となっています。

 

先行きのリスクとしては、新興国や途上国の民間債務の急拡大を挙げており、企業財務が悪化すれば設備投資や雇用が下振れし、経済成長をさらに下押しする悪循環になると懸念しています。