初心者のための金投資

新NISA制度も始まり物価高や老後不安から投資への加速も進む中、初心者の方にとっては何に投資すればいいのかが1番のお悩みではないでしょうか?
投資と言えば一般的には投資信託や株式を思い浮かべますが、投資の形は様々です。
今回は初心者の方向けに、金投資について分かりやすくご紹介をしていきます。

 

 

金投資の種類

金と言えばインゴットを思い浮かべる方も多いかと思いますが、金投資にも様々な種類があります。
●地銀・金貨
 地銀はインゴット、金貨はコインとなっており大きい単位での購入になるため初期投資費用や保管料などもかかります。また5年未満の売却で課税額が大きくなる点にも注意が必要です。
●純金積立
 純金積み立てとは、毎月一定額の金を継続して購入する投資です。こちらも5年未満の売却で課税額が大きくなる点に注意が必要です。

●差金決済取引(CFD)
売買時に利益が出た分を受取し、損失が出た場合は損失分のみを支払う形の取引。主にトレード目的の取引で使う事が多く初心者には不向きです。

●上場投資信託(ETF)
 初心者にオススメなのが上場投資信託のETFです。手元にまとまったお金が無くても始められます。

●新NISA 成長投資枠 投資信託で金を対象としたファンドがあります。NISAですから運用益は非課税が魅力

金投資のメリット・デメリット

メリット

①信用不安に強い

記憶にも新しいコロナウイルスでの世界恐慌やロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ問題など、有事が起こるたび様々な要因で通貨の価値が暴落したり、保有株式の価値が下がるといったリスクが考えられます。
しかし金には希少性があり、利用価値の高い貴金属であることから、価値がゼロになることは極めて低いと考えられます。

②インフレリスクに強い

インフレは物の価値が上昇し、お金の価値が下がっていくことですが、金はものであるためインフレの影響を受けにくい為、インフレ対策として有効な資産といえます。

③リスク分散できる

株や債券は、景気や世界情勢が不安定になると下がってしまいますが、金は株や債券とは異なる値動きになる為リスクを抑えることができます。

デメリット

①配当がない

銀行預金の利息や株式の配当のような、定期的に入る収入はなく、収益は価格の変動によるキャピタルゲインがメインです。
売買益を期待して投資する場合は、価格の変動要因を理解して売買のタイミングを図る必要があります。

②コストが高い

金を現物で購入した場合、防犯のために金庫を用意したり保管サービスを利用するコストがかかってしまいます。取引時の手数料や管理コストを考慮すると、通常の投資商品より割高になる可能性があります。

③盗難や紛失

先述した通り、現物に投資した場合は金庫や銀行の貸金庫を利用するなどのセキュリティ対策が必須になります。

金価格が上昇している理由

金は世界各地で取引されており、基本的な通貨は米ドルです。
金そのものの価格を見るときには為替の影響を受ける円ではなく、ドルでの価格を見ることが大切です。
金価格が変動する基本的な要因の中から2つご紹介します

米ドル、アメリカ金利

基軸通貨である米ドルがドル安になると、資産減を避けるため外貨準備高として資産が金に移され、金の価格が上昇します。
また、金利の上昇など金以外の資産の方が魅力的になると、金の価格は下がります。

地政学的リスク

地政学的リスクとは、特定地域が抱える政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりが、地理的な位置関係によって世界経済などに影響を与えて先行きが不透明になることです。長らく続いているロシアによるウクライナの侵攻や、イスラム組織ハマスとイスラエルの衝突など、昨今は地政学的リスクが同時に発生し、金が買われやすい状態です。

金はどれぐらい保有すればいい?

時々、円の通貨が紙切れになるかも?といった極端な発言をしているSNSをご覧になり焦って「金投資はどうですか?」「銀やプラチナはどうですか?」とご質問をいただく時がありました。特にコロナの時は、株も急落しましたので多かったですね。

結論、円が大暴落して極端に価値が下がり無価値になる可能性は低いと私は考えます。普通に、円資産、外貨資産(債券・株)にシンプルに分散すればよいかと思いますし、私もそのように保有しています。

地球上に埋蔵されている金は、残りプール1杯分しかないときいたことがあります。どんどん掘り続けると10年後には枯渇してしまそう・・・。将来的には、需給バランスの関係で、金の希少価値がさらに上がるかもしれません。だからといって、資産のほとんどを金で占めるのは論外で、一般的には全体の資産の10%~15%ともいわれています。

現物の金が希少価値が上がるのであれば、投資信託のようなファンドでなく「金」そのものを保有するのもありですね。

分散投資を考えよう

投資は資産形成を構築する事が目的の場合がほとんどだと思います。
配当や利益を得る場合は株への投資も必要ですが、すべてを株式への投資にした場合リスクも大きくなります。
有事への備えとして、投資するお金の何割かを金へ投資するのは分散投資にもなりますし、株式が下がった時の穴埋め資金として保険的に活用する事も可能です。金投資は利息を産まないともいわれますが、一部リスク分散として保有するのもありではないでしょうか?

新NISAで、投資信託として金ファンドを購入するのもよいのですが、現物の金でないのが面白くないという方は、コツコツ純金積み立し貯まったら、金地金に交換するのもひとつ。

金の価格がこれから上昇するか?下落するかは誰にも予想がつきません。

「無理のない金額」でコツコツ・・・気がついたらまあまあの資産になっていた・・・といった気楽に楽しみながら、始めるのが長続きの秘訣です。個人投資のメリットは長期という時間を味方にできること。いつか純金の現物を・・・と「夢」があっていいかもしれません。