認知症患者の預金を家族が引き出しやすくなる

全国銀行協会では、3月中にも戸籍抄本などで家族関係が証明され、施設や医療機関の請求書で使途が確認できれば、口座からお金を引き出すことができるようになるようにするそうです。 詳しくはこちら↓ 認知症患者の預金、家族引き出しやすく 全銀協通達へ:日本経済新聞 2020/3/11

認知症患者の抱えるお金の問題

だれでも認知症になどなりたくない、なるものか!とわたくしも含め、思っておりますが、残念ながら認知症患者は年齢を重ねると急増します。 認知症になると、日常の生活に支障をきたします。たとえば、お金の管理が難しくなり、病院へ行って治療費を支払うのを忘れて帰ったり、テレビ通販で大量に同じ商品を購入したり、 お金の計算が難しくなり、買い物ができなくなったり・・・・。 家族のものが、病院につきそいお金を支払う、本人のかわりに日常生活に必要な買い物をすることになりますが、介護施設に入所するために、家族が患者の預金を引き出そうとすると、不正な引出しを警戒する銀行は本人の資産を保護するとして口座からの引き出しを凍結する場合があります。これでは、介護施設に入所できなくなります。 このようにならないために、認知症になる前に、対策を打つ必要があったわけです。

65歳以上の6人に1人が認知症患者

高齢化の進展とともに、認知症患者数も増加しています。「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人となっており、6人に1人程度が認知症有病者と言えます。

認知症は長生き病・・・女性の場合90歳を超えると7割が認知症

認知症施策の総合的な推進について 令和元年6月20日厚生労働省老健局より

認知症の対策は、早い段階から

認知症対策は上記統計結果によると、少なくとも、65歳以上から必須となります。ですが実際に認知症対策を具体的にしているか?といいますと、終活セミナーに行っただけで、具体的に何もしていない・・エンディングノートを作っただけで、中身は白紙。このような方が多いと思います。家族信託という制度もありますが、こちらも内容さえ知らないかたも大勢います。 人は緊急性のあるものから行動しますので、痴ほう症になるなどは、緊急性もなく後回しになるのは仕方がないでしょう。認知症対策は当然ながら認知症になる前に対策が必要なものの、緊急性がないためその行動心理学も理解したうえで、対策したほうが得策です。いくら今回のように銀行の出金が認められても、数百万の出金をおいそれとは、簡単にできないからです。

人生100年時代のライフプランを

人生100年時代といいますが、0歳から50歳の50年と50歳から100歳の50年では同じ50年でも全く違います。難しいのは、50歳からの50年・・・病気や認知症、介護という重い問題を抱えながら、生きていかなければなりません。考えなければいけないとわかっていても、実際になにから手をつけてよいのか?わからないのではないでしょうか? ひとそれぞれ人生設計やプランは違いますので、50歳以降のライフプランニングはオーダーメイドであるべきです。 いつまで、どこで働き、終の棲家はどこで、なにをやりがい、いきがいに過ごすのか?お金については、いくらの生活費でやりくりし、介護状態になった場合にだれのサポートを受けるのか?その場合の費用の準備は?などひとつひとつ計画を立てていかないと、何となく退職金を取り崩していくのでは、とても無理な時代です。 当方では、退職後のライフプラン&マネープラン という相談を開設しております。よろしければお気軽にお問合せください