財務省が発表した5月の貿易統計速報(通関ベース)で、
自動車の輸出台数が前年同期比7.9%減の
約40万台に落ち込みました。
東日本大震災でサプライチェーン(供給網)が
寸断されていた2011年5月以来
4年ぶりの低水準となりました。
5月に特に落ち込んだのは中国向けで、
中国の景気減速が大きく影響し
前年比44.1%減少しました。
2~4月に半減したのに続く大きなマイナスで、
大型セダンの輸出が減りました。
また、EU向けも18.5%減少し、
マイナスは6か月ぶりで、減り幅は
2013年7月の19%以来となりました。
EU域内の新車販売台数は持ち直しつつありますが、
ユーロ安(円高)により日本からの輸出は
伸びにくい状態です。
好調だった米国向けも前年は
上回ったものの伸び率が鈍化しています。
自動車以外でも、鉄鋼輸出がアジア向けを中心に金額ベースで6.7%減少し、工場などの製造設備に使われる一般機械も伸び悩んでいます。
一方、半導体など電子部品は好調で、
台湾や香港向けを中心に金額で11.8%増加しました。
貿易収支を全体としてみると、
5月の輸出金額は前年比2.4%増、
輸入金額は前年比8.7%減、
差し引き貿易収支は2160億円の赤字で、
2か月連続の赤字となりました。
自動車の輸出数量の伸び悩みは、
今後国内景気の下押し要因となりそうです。