繰越欠損金が4.6兆円減少

 

国税庁の発表によりますと、企業が赤字(欠損)を翌期以降の黒字(課税所得)と相殺して法人税を減らすことができる税務上の「繰越欠損金」の残高が、2014年度末時点で63.9兆円と前年比4.6兆円減少しました。

 

減少は6年連続で、バブル崩壊直後の1996年度以来の低水準です。

 

繰越欠損金は、リーマン危機に伴い2008年度に90.8兆円まで膨らみました。

 

直近の企業業績の改善や期限を迎えた欠損金(有効期間は9年間)も増えて、残高が減少しました。

 

欠損金の減少は、法人税収の伸びに直結します。

 

法人税収は、2009年度に6.4兆円まで下がりましたが、2014年度には11兆円まで回復しました。

 

税収は、景気動向次第の面がありますが、欠損金制度の観点からは今後も法人税収が増えやすくなる環境が整ったといえるでしょう。