経済産業省の調査によりますと、日本の大学で学んだ外国人留学生のうち、学部卒の学生の7割が日本での就職を希望したにもかかわらず、実際には3割しか就職していないことが分かりました。


博士課程修了の学生でも、国内での就職率は2割を下回りました。


合計で年間1万人の留学生が、卒業後に日本以外の国で就職しています。


企業風土や就職活動が不透明だったり、永住権を取得しにくかったりすることが日本での就職を見送る背景にあるとみられています。


日本に関心を持っていた外国人の高度人材が、国外に多数流失していることになります。


こうした傾向は、学生だけに限りません。


経済協力開発機構(OECD)の外国人研究者の流出入に関する調査によりますと、1999年から2013年に日本は9000人弱の流出超過でした。


調査対象の25か国で3番目に流出超過が多い結果でした。


米国や中国は、1万人近くの流入超過になっています。


背景として、報告書では日本企業の風土を指摘しています。


外国人からは、「役割や仕事内容が不透明」「能力や成果に応じた人事評価が不十分」「長時間労働」などの声があります。


日本の在留資格制度に対する不満も多くありました。


日本で普通に働く、就活する場合であっても、それぞれの会社の風土のなじむ、なじまないということで、うまくいかなかったり、


また途中で転職したりするわけで、

まして、文化も価値観も違う外国人の方が、日本で就活するのは、困難なことでしょう。


希望を持って日本に学びに来た外国人の方が、就職できず、どんな思いで日本を去っていったのか想像すると、非常に胸が痛みます。


完全雇用の状態、就活は追い風とコラムに書いておりますが、このような現実もあると認識しなくてはいけませんね。