円安が輸出を増やす効果が薄れてきました。
財務省が発表した2月の税関の平均公示レートは、1ドル=117円36銭と前年比0.6%の円高でした。
前年よりも円高になるのは、79円52銭と1.1%の円高になった2012年7月以来3年7か月ぶりとなります。
同年8月からは円安傾向が続き、2015年8月には124円16銭まで進みました。
足元で円高になっているのは、世界的に市場が混乱する中で安全資産とされる円が買われているためです。
財務省が同時に発表した貿易統計速報によりますと、輸出額から輸入額を差し引いた2月の貿易収支は、2428億円の黒字でした。
原油安で輸入額が減少し、2か月ぶりの黒字となりました。
2013年以降は円安傾向を背景に輸出額が増えましたが、今後は弱含む可能性があります。
中国や新興国経済の減速もあり、輸出への逆風が強まりそうです。