2022年から2023年にかけ先進国で大幅な利上げが行われてきました。利上げの理由は物価上昇を抑制する事にありますが、日本でも物価上昇により、金利の引き上げは少しずつ拡大しています。日本は超低金利時代から金利のある時代へ転換していくのかもしれません。今後、新規借り入れを考えている方や変動金利での借り入れを行っている方など金利が上昇した場合は家計への負担は大きいものになりそうです。今回は住宅ローンについて最新の金利引き上げ状況なども踏まえ、詳しくご紹介していきます。
住宅ローンについて
まずは住宅ローン金利について詳しく見ていきましょう。
住宅ローンの金利には主に「固定金利」と「変動金利」の2つがあります。
「固定金利」は契約してから完済するまで金利変動も無く、返済計画も立てやすいというメリットがありますが、金利が高めの傾向にあり、当面の返済額が高くなりやすいというデメリットもあります。
「変動金利」は名前の通り返済途中で金利が変動するタイプです。半年ごとに経済状況を見て金利の見直しを行い、毎月返済額は5年ごとに見直しがされています。金利が低い状況が続けば、少ない利息でお金を借りられると言ったメリットがありますが、金利が高くなった場合には返済額が上昇し、返済計画やライフプランを立てにくいといったデメリットがあります。
最新の住宅ローン金利状況
続いては大手銀行5行の最新の金利動向についてご紹介します。
固定金利は長期金利水準を元に決められており、昨年から続くマイナス金利はプラスとマイナスを行き来していましたが、2月には0.669%まで下がる結果となり、2月の固定型住宅ローン金利は引き上げを行う金融機関と引き下げを行う金融機関が混在する結果となりました。
▼固定型最優遇金利(2024年2月現在)
・りそな銀行 ⬆ 1.66%
・みずほ銀行 ⬆ 1.45%
・三井住友銀行 ⬆ 1.14%
・三井住友信託銀行 ➡ 1.30%
・三菱UFJ銀行 ⬇ 0.86%
▼変動金利(2024年2月現在)
変動金利は短期金利に連動しています。現時点での短期金利の推移をみると、日銀によるマイナス金利政策により史上最低水準の低金利が続いています。そのため変動金利に対する影響は各行ともありませんでした。
今後の金利の動きについて
今後の金利の動きを予想するのは困難かと思います。変動金利については銀行同士の引き下げ幅の競争が行われている限り高止まりが期待できそうですが、固定金利については銀行同士の引き下げ幅の競争の中でも緩やかに上昇をしています。日銀による金融緩和は続いていますが、今後も利上げの可能性があることは想定し、政策金利に注視する必要がありそうです。