続税の非課税となるもの、もれなく活用していますか?

相続は誰もが避けられない人生の一大事です。例えば、親が急に亡くなられた際、遺産の整理や相続税の支払いに追われることがあります。相続税には基礎控除があるものの、適切な対策を講じなければ多額の税金がかかることもあります。

そこで、「非課税財産」を上手に活用することで、大きな節税効果が期待できます。

ちなみに、お亡くなりになった方の財産が3600万円以上あった場合に、(3000万円+法定相続人1人600万円)相続税がかかります。それ以下の場合、相続税の申告は不要です。なので相続税がかかりそうな場合、被相続人の財産を減らし、相続人の負担となる面倒な相続税の申告をしないで済むようにするのも生活の知恵です。

相続人は、財産を相続したのだから、その中から税金を払えばそれでよいというお考えの高齢者もいらっしゃいますが、相続の申告を何度も経験している人はなく、相続財産をもらう人は、相続税の申告は、どうしたらいいかわからない人も多いです。人生の最後の幕を閉じる「備え」が相続対策です。残された家族が困らないように整理しておきましょう。

相続税の基礎控除とは何?

相続税には基礎控除があり、これは相続財産から差し引かれる額です。基礎控除額の計算方法は以下の通りです:

■基礎控除額の計算方法

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円」となります。この場合、4,800万円をこえた相続財産に対し相続税がかかります。

非課税財産とは

相続財産のすべてが課税対象となるわけではなく、「非課税財産」というものがあります。これらを上手に活用することで、相続税の負担を大きく軽減することができます。非課税財産には以下のものがあります。

墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚など

生命保険金の一部

死亡退職金の一部

国や地方公共団体に寄付した財産

以下、それぞれの非課税財産についてご説明いたします。

墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚など

例えば、ご両親が生前に購入されていたお墓や仏壇は非課税です。これらは日本の文化や宗教的な背景に基づき、非課税とされています。ただし、非常に高価なものや投資目的と見なされる場合は課税対象となることがあります。死後の祭祀について備えあれば憂いなしです。最近では、墓じまいするケースも多いため、お墓を作る場合は、お寺(檀家)や家族で話し合い、事前準備しておきましょう。

生命保険金の一部

お父様が生命保険に加入されており、亡くなられた際に支払われる保険金については、「500万円 × 法定相続人の数」までが非課税となります。例えば、法定相続人が2人の場合、非課税額は「500万円 × 2 = 1,000万円」となり、この1,000万円を超える部分だけが課税対象となります。

この生命保険の非課税枠を使っていないケースが半数ともいわれています。生命保険の非課税枠を使っていたら、相続税がかからず、面倒な相続税の申告をしなくて済んだのに・・・と後悔する話も聞きます。

高齢になって慌てて非課税狙いの保険に加入するのではなく、保険を加入する際に非課税枠も視野にいれて、検討しましょう。

死亡退職金の一部

たとえば、お父様が亡くなられた際、会社から支払われる死亡退職金についても、「500万円 × 法定相続人の数」が非課税となります。

2の生命保険の非課税枠とは別に、死亡退職金の非課税枠を併用できます。会社の社長、役員が在職中にお亡くなりになった時、会社の規定によりますが、死亡退職金が支払われます。その受けとった死亡退職金が仮に2,000万円の場合、法定相続人が3人であれば非課税枠は1500万円ですので、500万円が課税対象財産にカウントされることになります。ただし、課税財産にカウントされても、基礎控除の範囲内であれば、相続税はかかりません。

国や地方公共団体に寄付した財産

被相続人亡くなる前に地域の学校に寄付をされていた場合、このような寄付も非課税です。寄付された資金が2年以内に公益事業に使われることが条件となります。相続税が非課税となる国や地方公共団体への寄付には、いくつかの具体例があります。以下はその一部です

国立大学への寄付

遺産の一部を国立大学に寄付する場合、その寄付額は相続税の対象外となります。これは教育や研究の支援を目的とした寄付であるためです。

地方自治体への寄付

  例えば、市町村や都道府県が運営する公共施設(図書館、公園、博物館など)への寄付も非課税となります。この寄付は地域の発展や住民の福祉向上に役立つためです。

公共事業への寄付

 道路の建設や河川の整備など、公共インフラの整備を目的とした寄付も相続税の対象外となります。これにより、公共の利益に貢献することが評価されます。

社会福祉法人への寄付

 社会福祉法人が運営する施設(老人ホーム、児童福祉施設など)への寄付も非課税です。これらの施設は社会的弱者を支援するためのものであり、その支援は重要とされています。

災害復興支援への寄付

地震や台風などの自然災害で被災した地域の復興支援を目的とした寄付も、相続税が非課税となります。被災地の早期復興を支援するための重要な手段と見なされます。

これらの寄付を通じて社会に貢献することが評価され、相続税の負担が軽減される仕組みが設けられています。

 まとめ

相続税対策として非課税財産を上手に活用することで、節税効果が期待できます。これらの知識を持たないまま手続きを進めると、相続税が発生したり、相続税がわずかでも、相続税の申告書を作成しなければならず、多大な労力がかかります。そうならないためにも、事前に非課税財産を活用した相続対策を行うことが重要です。

非課税財産を上手く活用することにより、節税対策ができること、相続税が、かからないようにすることは大変重要なポイントです。生前にお墓を購入することや、生命保険に加入しておくことは、きっと役立つことでしょう。

もし相続についてのご不安やご質問がございましたらご遠慮なくお問い合わせください。皆様のご不安を解消し、最適な相続対策をご提案いたします。※相続税がご自分の場合、いくらかかるか?個別の計算は、FPにはできません。必要があれば、税理士さんをご紹介させていただきます。

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