日銀が発表した1~3月期の資金循環統計で、
3月末の家計の金融資産残高が初めて
1700兆円を突破しました。
投資信託の保有が増えるとともに、
円安・株高による保有株式や
投資信託の価格上昇が残高を押し上げました。
3月末の家計の金融資産残高は
1708兆円で、前年比85兆円(5%)増え、
このうち53兆円は円安や株高に伴って時価が増加した分です。
主な内訳は、株式が20%増の100兆円、
投資信託が22%増の95兆円、現預金が
2%増の883兆円となっております。
2014年度1年間の家計の資産と
負債の差額からはじき出した黒字額ともいえる資金余剰は
25兆円となり、
前年比57%増え、1999年度(27兆円)以来の
大きさとなりました。
この資金余剰から、
「リスク投資を増やす一方、消費活動に慎重な家計の姿」
がうかがえます。
また、投資信託や社債の運用が増えたほか、
ボーナスの増加や高齢化による年金受け取りの拡大で
現預金が増えました。
日銀は、
「所得環境が改善しているのに
消費や住宅投資が鈍いため、
金融資産が増えている」と分析しており、
現預金の増加は安全志向が残っている証しとみています。
一方、企業部門は、
お金を使う前向きな姿勢が見え始めており、
2014年度の資金余剰額は
前年比49%減の10兆円となり、
2008年度(9兆円)以来の低さでした。