6月15日は、
日本年金機構による個人情報流失発覚後初の支給日でしたが、
特に大きな混乱はなかったようです。
一方、15日は、
公的年金の支給額の伸びを賃金や物価の上昇分より抑える
「マクロ経済スライド」を初めて適用した日でもありました。
2015年度の年金(改定は4月、支給は6月より)は、
厚生年金(夫婦2人分の基礎年金を含む標準的な年金額)が
月額22万1507円、
国民年金(基礎年金を満額、1人分)が
月額6万5008円となり、前年比0.9%増加しました。
プラス改定は、実に16年ぶりとなります。
年金額は増えましたが、
賃金や物価の上昇率は0.9%以上ですので、
実質的には年金は目減りしていることになります。
原因は、マクロ経済スライドが初めて適用されたためです。
この仕組みでは、
少子高齢化に伴う現役世代の保険料負担の上昇を抑えるために、
年金保険料を支払う世代がどれだけ減り、
平均余命がどれだけ伸びたかをもとに毎年、
支給の抑制率をはじきます。
一方、年金額は、賃金や物価の上昇により増えます。
このため支給額は、
マクロ経済スライドによる減額と賃金や物価を反映した増額を
相殺して決まります。
2015年度は、賃金の上昇分としての2.3%から、
マクロ経済スライド分の0.9%と
過去のもらい過ぎ解消分(本年で終了)0.5%を差し引きし、
0.9%増※にとどまりました。
※2.3%ー0.9%-0.5%=0.9%
マクロ経済スライドは当面続きますので、
年金は「実質目減り時代」に突入したといわれています。