政府は、団塊世代が
全員75歳以上の後期高齢者になる
2025年の時点で、
全国の医療機関の病院ベッド数を
現状の135万床より
1割以上削減できるとする推計をまとめました。
地域ごとの人口予測から
2025年の入院需要を試算し、
全国で必要とされる病院ベッド数は
115万~119万床としました。
地方の人口減を反映して
半数以上の県が、
2割以上削減できると予測しています。
2025年のベッド数の内訳は、
重症の患者を集中治療する
「高度急性期」が13万床、
通常の救急医療を担う「急性期」が40万床、
リハビリを施す「回復期」が38万床、
長期療養の「慢性期」が24万~28万床となっています。
ベッド数が多いと不必要な入院が増えて、
医療費が膨らみやすくなります。
手厚い医療が必要のない約30万人の患者は、
介護施設や高齢者住宅に移って
在宅医療を受けられるようにすることを目指しています。
高齢化に伴う国民医療費の高騰が続く中、
入院治療の効率化で医療費の抑制を図る予定ですが、
在宅医療、介護の人材が不足しており、
受け皿整備が大きな課題となります。
地域別には、人口当たりのベッド数がもともと多い
西日本の県で特に削減率が大きくなります。
一方、高齢者が激増する
東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪では、
合計で2万~3万床が不足すると見込まれています。
政府は、将来像を議論する検討会を設け、
制度見直しに向けた関連法の改正案を
2017年の通常国会にも提出する予定となっています。