中国の過剰債務が深刻
中国の企業や個人が抱える過剰債務が深刻さを増しています。
国際決済銀行(BIS)によりますと、中国の金融機関を除いた民間債務は、2015年9月末時点で21.5兆ドル(2578兆円)、GDP比で205%に高まりました。
リーマン・ショック後の大規模な財政出動と金融緩和で、設備や不動産への投資が膨らんだことが大きく影響しています。
日本の民間債務は、バブル末期に200%を超え95年12月末には221%まで跳ね上がりました。
中国も、日本のバブル末期から崩壊後の水準に迫っています。
日本は債務圧縮が一段落するのに約10年を要し、米国も約4年かかりました。
民間債務のうち、企業が17.4兆ドルと8割を占めています。
一方、家計も住宅ローンの増加で、リーマン当時の0.8兆ドルから4.1兆ドルに急拡大しています。
今後、中国の企業や個人が債務の返済を優先させれば、投資や消費に回るお金が減り、景気にブレーキがかかります。
また、過剰債務の処理に手間取れば、日本と同様に経済がデフレに陥る危険性があります。
第2位の経済大国である中国の世界ならびに日本の経済に与える影響は大きく、今後の政策を注視する必要があるでしょう。