毎月、給与から社会保険料が差し引かれ、思っていたよりも手取りが少ないと思ったことはありませんか?

実は、毎月差し引かれる保険料は「標準報酬月額」を基にして算出されているのですが、
どのような仕組みで天引きされているのかを理解すると、引かれる金額が抑えられるコツがわかります。それでは、社会保険の仕組みについてご紹介していきますね!

そもそも会社員が入っている社会保険とは?

総称して社会保険と言われていますが、社会保険に加入する=下記の5つ全てに加入していることになります。

・厚生年金
・健康保険
・介護保険
・雇用保険
・労災保険

この中でも負担が大きいのは、厚生年金、健康保険、介護保険になります。

では会社員の中でどういう人が該当するのかと言いますと、社長などの役員や正社員で働いている一般社員、パートやアルバイトで社会保険に入っている人が該当します。

標準報酬月額で、社会保険の負担が決まる

冒頭で毎月差し引かれる保険料は、「標準報酬月額」をもとにして算出されるものとお伝えしました。標準報酬月額とは従業員の給料を報酬月額の区分(等級)に分けたものになります。

それでは月収23~25万円、標準報酬月額24万円を例として、厚生年金と健康保険について実際に計算式を当てはめてみましょう!

・厚生年金

標準課税月額は18.3%になり、労使折半(会社と労働者が半分ずつ負担)のため、
実際に引かれるのは9.15%になります。
 (計算式)24万円×9.15%=21,960円 が差し引かれます。

・健康保険(介護保険込)

標準報酬月額の約11.7%。労使折半のため、実際に引かれるのは5.58%になります。
 健康保険料は企業が加入する健康保険組合や都道府県によって異なります。
(計算式)24万円×5.85%=14,040円 が差し引かれます。

保険料は厚生年金、健康保険、介護保険を含めて約30%です。
これを労使折半し、会社員個人が負担するのは約15%になります。

介護保険は40歳以上が加入するため、それまでは負担することはありません。
※保険料は会社、地域、年度によって異なります。

社会保険料の負担を下げるには?

当然ながら、標準報酬月額を引き下げると社会保険も下がります。
基本給はなかなか変えることはできませんが、残業を減らせば残業代は下がるので、報酬月額も下がります。

・報酬に含まれるもの

基本給、役付手当、通勤手当、残業手当、家族手当、住宅手当、通勤定期券等が含まれています。

・報酬に含まれないもの

出張旅費、退職金、結婚祝金、見舞金、制服等。

・標準報酬月額はいつ決まる?

4月~6月の給与の平均で標準報酬月額が決まります。
適用期間は9月から翌年の8月までです。

通勤手当も報酬月額に含まれますが、通勤代がかからない人は報酬月額も下がるということになりますね。

可能であればの話ですが、標準報酬月額が決まる4月~6月のこの3か月は残業を減らす、通勤代がかからない家から近い会社に勤めるなどの工夫をすれば標準報酬月額は下げられます。

特に、遠距離通勤で悩まれている方は、会社の近所にお引越しすることも検討してはいかがでしょう。

ボーナスはどうなるのか?

ボーナスからも社会保険料は引かれますが、引かれる額は標準賞与額によって決まります。

標準賞与額とは、賞与額の1,000円未満を切り捨てた額のことです。
例)賞与666,666円の場合、666,000円になります。

社会保険料の計算式は標準報酬月額と同じなので、計算がしやすいですね!

給料明細をしっかり確認しましょう

毎月、会社から支給された給与は、社会保険料や税金が引かれるため、手取り額がかなり少なく感じるかもしれません。

給与と社会保険の仕組みを正しく理解し、標準報酬月額を下げられたら手取り月収が増えていきます。

天引きだとあまり意識しないかもしれませんが、保険料も給与から支払われているものですので、一度給料明細をしっかり確認し、大切なお金を守っていきましょう。