こんにちは、ファイナンシャルプランナーの山下です。
マイホームの購入を検討する際、避けて通れないのが「住宅ローン」。
とくに【どの金利タイプを選ぶか?】は、家計に大きな影響を及ぼすため、慎重に判断したいところです。
今回は、2025年5月時点の金利動向を踏まえ、3つの金利タイプの特徴と選び方についてわかりやすく解説します。
◆ 2025年5月の金利動向まとめ
▶ 変動金利
大手銀行5行は基準金利を据え置き(※1月の日銀利上げを受け、4月にすでに上昇済みのため)。
一方、ネット銀行の一部(ソニー銀行、SBI新生銀行、住信SBIネット銀行など)は金利を0.1%前後引き上げ。
実質的な変動金利は0.6~0.7%台で借入可能。
最近では、「融資率」に応じて金利が上乗せされる“隠れ利上げ”の動きにも注意が必要です。
▶ 固定特約型(例:10年固定)
10年国債利回りの低下により、大手銀行の10年固定型は5月に引き下げ。
▶ 全期間固定金利(フラット35)
フラット35(買取型)は1.820%に引き下げ。
民間の全期間固定型(フラット35以外)は依然として2.7%前後と高めの傾向。
◆ 金利タイプ別の特徴と、向いている人は?
① 変動金利
✔ メリット
初期金利が最も低く、当初の返済負担を抑えやすい
金利が上がらなければ、総返済額が最も少なく済む可能性あり
✔ デメリット
金利上昇リスクあり(5年ルール・125%ルール適用でも返済額は増える)
将来の家計見通しが立てづらい
✔ 向いている人
繰上返済の計画がある方
金利上昇に備えた貯蓄や収入の余裕がある方
リスクを取ってでも低金利メリットを享受したい方
💡一部の金融調査では、「年収倍率5倍(最大でも7倍)以内の借入」かつ「資産形成や昇給が見込める層」には変動型の優位性を指摘する声もあります。
② 固定特約型(例:10年固定)
✔ メリット
特約期間中は返済額が固定されるため、中期の家計見通しを立てやすい
全期間固定より金利が低く、変動型よりもリスクが抑えられるバランス型
✔ デメリット
特約終了後の金利は未定、変動型に移行する可能性も
初期金利は変動型より高め
✔ 向いている人
教育費やライフイベントを迎える時期に合わせたい方
特約期間中に家計の改善や収入アップが見込まれる方
段階的な住宅ローン戦略を立てたい方
③ 全期間固定金利(例:フラット35)
✔ メリット
完済まで返済額が一定で、家計の安定性が最も高い
将来の金利上昇リスクが完全に排除される
✔ デメリット
初期金利は最も高く、借入当初の負担が大きい
金利が下がってもメリットを受けられない
✔ 向いている人
将来の収入や支出が読みにくい方
金利リスクを極力避けたい方
長期的な計画で、確実な返済を優先したい方
💡最近では「変動→固定」への借り換えニーズも増加中。金利差が縮小している今、追加利上げ前後のタイミングで固定型に乗り換える動きが広がっています。
◆ では、今はどれを選ぶべきか?
結論から言えば、「一律にこれが正解!」という金利タイプはありません。
大切なのは、あなた自身のライフプラン・家計の状況・リスク許容度を丁寧に把握することです。
選び方のヒントは次の通りです。
タイプ向いている方変動型金利リスクを取ってでも、低金利のメリットを活かしたい人固定特約型中期的に家計の見通しを安定させたい人全期間固定型長期にわたって安心して返済を続けたい人
◆ 最後に──「一人で悩まず、専門家に相談を」
住宅ローンは、借入額も返済期間も人生最大級の意思決定です。
金利動向を読み解き、最適なローンを選ぶためには、専門的な視点が不可欠です。
金利選びを誤ってしまえば、将来の家計に大きな影響が及ぶ可能性も。
私の個別相談では、最新の金利動向をもとに、あなたのご家庭に最適な住宅ローンプランをご提案しています。
マイホーム購入を後悔しないためにも、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせは、事前相談説明会(無料)をご利用ください。当方で作成するシミュレーションについて詳しくご説明いたします。
よりよく住宅ローンを理解するために…よくあるご質問
2025年5月の住宅ローン金利の全体的な動向はどうなっていますか?
2025年5月現在、住宅ローン金利は変動型が据え置き、10年固定型と35年固定型(フラット35を含む)は引き下げの傾向が見られます。特に変動金利は、基準金利の引き上げがあったにも関わらず、依然として低水準を維持しています。長期金利の低下が固定型の引き下げに影響を与えています。
現在の住宅ローン金利の種類にはどのようなものがありますか?
主な金利タイプとして以下の4種類があります。
- 変動型: 金利が市場の動向に合わせて変動します。現在の主流であり、金利競争が最も激しいタイプです。
- 固定特約型: 一定期間(例えば10年や20年)は金利が固定され、その後変動型などに移行します。
- 全期間固定型: 借入期間中、ずっと金利が変わらないタイプです。フラット35などがこれにあたります。
- その他: 段階的に金利が変化する段階型や、上限金利が設定された変動型などがあります。
各金利タイプはどのような人に向いていますか?
- 変動型: 金利上昇リスクを許容でき、積極的に市場の動向を見ながら借り換えなども検討できる人に向いています。金利が低水準のうちは返済額を抑えられます。
- 固定特約型: 一定期間は返済額を確定させたいが、その後の金利低下にも期待したい人に向いています。
- 全期間固定型: 金利変動リスクを避け、将来の返済計画を確実に立てたい人に向いています。市場金利が上昇局面にある場合や、長期的な安心を重視する人に向いています。
変動金利が有利とされる理由は何ですか?
現在の金利水準においては、変動金利は固定金利に比べて金利差が大きく、年間返済額や総返済額において有利になる可能性が高いと考えられています。仮に将来金利が上昇したとしても、固定金利が変動金利よりも有利になるためには複数回の利上げが必要であり、現時点では変動金利の方が有利であるという見方があります。
今後、住宅ローン金利はどのように推移すると予想されますか?
日銀のマイナス金利政策解除や追加利上げの決定を受けて、金利上昇の傾向が見られます。特に変動金利の基準金利は引き上げられた銀行もあります。今後も日銀の金融政策や世界の経済動向によって金利は変動する可能性がありますが、急激な大幅な上昇は限定的であるという見方もあります。ただし、銀行によっては融資率に応じて金利を上乗せする「隠れ利上げ」の動きも出ています。
現在住宅ローンを借りている場合、どのような選択肢がありますか?
現在の金利状況を踏まえ、より低金利の住宅ローンへの借り換えを検討する動きが見られます。特に変動型から固定型への借り換えを検討する人もいます。自身の契約内容や金利タイプによって最適な対処法が異なりますので、専門家への相談や住宅ローン診断サービスを利用することが推奨されます。
これから住宅ローンを組む場合、どのような点に注意すべきですか?
金利タイプを選ぶ際には、変動型、固定特約型、全期間固定型のそれぞれの特徴を理解し、自身の返済能力や将来の金利変動に対する考え方を考慮することが重要です。また、表面金利だけでなく、諸費用を含めた実質金利で比較検討することが賢明です。過大な借入れは避け、年収倍率などを参考に無理のない返済計画を立てることが大切です。
2025年5月現在、注目の住宅ローンランキングはどこで確認できますか?
主要な銀行の住宅ローン金利ランキングは、住宅ローン比較サイトや金融情報サイトなどで確認できます。特に変動金利については、実質金利ベースでのランキングが示されており、auじぶん銀行やSBI新生銀行などが注目されています。これらの情報は定期的に更新されるため、最新の情報を確認することが重要です。