内閣府の調査「日本経済2021-2022」によると、家計には、約40兆円超過貯蓄があります。コロナの影響で外食、飲食、旅行やイベントなどで本来なら使われたお金が使われていないで「現預金にプール」されている状態です。お金が使われなかったため、「平均貯蓄率・・・所得に対してどれだけ貯金が増えたか」は2019年は31.4%から2021年には35.2%に急伸中。
一方国内の企業物価は41年ぶりの高さとなり(2022年3月日銀発表)食料品やガソリン代の価格がすでに値上がりしています。物価は値上がりしているのに、賃金は25年間、上がっていません。このような状況で将来不安をかかえ、その解決策として「とりあえず、貯金をしておく」が本当に有益な方法でしょうか?
日本の景気は回復しておらず日本の銀行預金は低金利。銀行の定期預金の金利は0.002%(2022年4月)
1000万円の虎の子の預金を銀行の定期預金では、1年間の利息は200円1、10年預けていても2000円しか増えない
これで本当に良いのか考えてみましょう。
エネルギーをはじめ食料品の多くを輸入に頼る日本では、急激な円安で、輸入コストが上昇し物価が上昇しています。もしも物価が2%すれば、1000万円のお金は、同じものを買うためには、20万円増えて1020万円でないと同じものは買えません。ですが銀行預金に預けておくと、200円しか増えません。これでは、預金は減っていることになります。
200円-200,000円=199,800円価値は減った!損した!ことになりますが、30年間、日本は長くデフレに苦しみ続けた私たちは、「物価はあがらないもの」というマインドが強く、ゼロ金利の円預金に預けても、なにも弊害がないと勘違いしています。
「物価が上がるのは仕方がない、節約するしかない」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、仮に、2%物価が上昇つづけると、1000万円の現金の価値はいくら減ってしまうでしょうか?
1000万円は、10年後には817万円の価値へ、20年後には667万円へ、30年後には534万円・・なんと30年で半分になってしまいます。将来不安のためにと、、、銀行預金にし、その預ける期間が長くなればなるほど、「お金は減る」という悲惨は状況です。
現在、アメリカは景気は良く物価上昇中(インフレ)です。景気を冷まし金利を抑制するために金融の引き締めを行っています。一方日本は景気が良いとはいえず、金利を上げることはできません。アメリカは金融引き締め、日本は金融緩和、まったく反対の金融政策なのです。でもそれ以外に、日本には金利を上げることができない重大な「日本だけの事情」があります・それは・・・・
日本の国債は今現在、1006兆205億円と莫大な金額に膨れ上がり、その半分を日銀が保有しています。国債は、「ある時払いの出世払い」などできるはずもなく、利息を払わなけければなりません。もしも金利が1%上昇しただけで10兆円、2%上昇すれば20兆円の利息を払わなければなりません。
日本人が稼いで国に納めた税金は60兆円ですから、20兆円の金利は、利払いだけで3分の1消えてしまいます。なので、日銀は多少景気がよくなったぐらいでは、金利を上げられないのです。
日本は景気が良くならないので、金利を上げることができず低金利が続く一方、アメリカは景気上昇・インフレ・金利上昇により日米の金利差は拡大。この傾向は当分続きます。非常に強いドルVS弱い円・・・円安(円の価値が低くなる)要因です。
資源のない日本はエネルギーや食料品までほとんどが輸入に頼っています。円安になれば、物価は今より上がり、家計は苦しくなります。働いている人はまだ所得があるのやりくりや予定したイベントをカットすることでしのげるかもしれません。若い人達は、そもそも貯金がまだできていないステージですので、多額のお金を銀行預金で塩漬けにしている人も少ないでしょう。
問題は、中年…ミドルエイジの年代です。この世代は物価がやすく節約しながら、コツコツ銀行預金でお金を蓄財してきた世代。教育資金を用意しながら住宅ローンを払い、老後資金も貯めている方たち。財形や積立定期預金、円の個人年金などなるべくリスクをとらないで手堅いもので貯めてきた方たち。このような方は、円預金していると、利息はつかないのに、物価が上がれば預金している価値は減っていくのです。
老後、インフレが襲ってきた場合はさらに悲惨です。現在の年金生活者の収入の中心は公的年金です。日常の買い物をする際も、物価が上がれば生活は苦しくなります。いまの公的年金制度は、インフレに弱く、年金カット法案が2021年4月から実施され、年金生活者を支える労働者の給料が減れば、受け取っている公的年金も減る仕組みです。25年間日本人の給料は横ばいまたは下がっています。企業が低成長、現状維持でありつづけ、少子化により人口増加見込めないのであれば、年金原資は減少しますが、長寿化で年金生活者は増えていきますので、受け取れる公的年金は徐々に減っていきます。
50代以上の方はバブル崩壊がトラウマとなり、投資はコワイと退職金など多額のお金を円預金に預けています。本当に2%インフレが続けば、60歳の人が70歳になるころには、虎の子の1000万円は10年後には817万円の価値に減ります。安全資産、リスクを排除していたつもりでも、それはリスクをとっていることになります。残念なことに・・・。
では、どうしたらいいのでしょうか?
解決策は、おひとり、おひとり、状況も異なります。
ご自分の場合はどうしたらいいのか?
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人生100年時代のお金の新常識をお話しています
よく耳にするインフレーション、フレーションという言葉。
経済を考えるための基本用語です。
モノの値段が上がる状態を指す「インフレーション」
モノの価値が下がる状態を指す「デフレーション」
資産運用におけるインフレーション・デフレーションが及ぼす影響をご説明します。
通称「インフレ」は、モノの価値が上がった状態
例)お財布に1,000円を入れて買い物に行ったとします。
リンゴが1個100円で売られていた場合、リンゴは10個買えます。
しかし、インフレが起こり物の価値が上がると、リンゴの値段も上がります。
インフレによって、100円だったリンゴが120円に値上がりすると
インフレ前には10個買えていたものが、インフレ後には8個しか買うことができなくなります。
インフレで値段が上がると、同じ1,000円でも買える量が減ってしまい、実質的にお金の価値が下がるということになります。
通称「デフレ」は モノの価値が下がった状態
100円で売られていたリンゴが80円に値下がりした状態です。
この場合、リンゴが12個買えますね!
インフレ時に比べ、同じ1,000円でも買える量が増えているので、実質的にお金の価値が上がったことになります。
日本の場合は円預金や国内債券がデフレに強いとされています。
日本では長らくデフレが続いてたので、低金利の商品に預けていても、お金の価値を上げることが可能でした。
一方、インフレに強い商品は不動産や株式です。
仮に毎年3%ずつモノの値段が上がるすると、不動産や株の価格も上がり、購入金額との差額が利益となります。
逆にこの条件下で「デフレに強い」とされる低金利の円預金をした場合、お金は増えないのにモノの価値が上がってしまう為、買えるモノの量が減ってしまうということになります。
現在の日本はだんだんインフレになってきております。。
預貯金の金利も上がればよいのですが、今のところあまり期待できそうもありません。
資産運用を考えている方は、インフレに強い株式や不動産などで備えを検討してみる必要がありそうです。
インフレとデフレの知識を身につけて、ぜひ資産運用に活かしてみてください。
自分で老後の年金を作るのに役立つiDeCo。
iDeCoとは「イデコ」と読み、個人型確定拠出年金のことを指します。
近年、老後にかかるお金がきちんと用意できるか不安だからと、iDeCoをスタートする方が増えています。
そんなiDeCoの制度が2022年に改正され、利用できる人や期間が拡大する予定です。
今回は、iDeCoの主な特徴と、改正にあたってのポイントや注意点を合わせてご紹介します。
iDeCoとは、老後のためにお金を積み立てて、自分で選んだ商品で運用を行い、その運用成果を60歳以降に受け取る制度です。
お金を積み立てることによって、所得税や住民税が軽減されるなどの税制優遇が受けられたり、受け取り時に控除が適用され、税金がかからないなど、節税対策にも有効です。
また、資産の持ち運びができるほか、商品の信託報酬の低い商品もラインナップされているなどの特長があります。
iDeCoのメリットとして、上記でも少しだけお話しさせていただきましたが、
①掛金が全額所得控除される
②確定拠出年金制度内での運用益が非課税で再投資される
③受給時に所得控除を受けられる
など、節税効果が高いのがわかりますね!
年収が高い人ほど節税効果は大きくなり、預金を銀行口座に眠らせておくよりも、iDeCoを利用することで、今の家計を助けることができます。
ここまで読むとメリットが多いように感じますが、iDeCoにはデメリットも。
iDeCoのデメリットは
①60歳まで現金化できない
②将来受け取る金額が確定しない
③手数料がかかる
などがあり、特に②については金額が確定しないことが、不安を感じてなかなか一歩が踏み出せない方もいらっしゃいますが、それはあまりにももったいないです。預金ではふえない時代、インフレになると預金では目減りします。
iDeCoで運用して貯めた・増やした資産(老齢給付金といいます)は、これまで60歳〜70歳の10年の間に受け取りをはじめる仕組みになっていました。
しかし、2022年4月からは「60歳〜75歳の間」と、5年延長されます。
国民年金・厚生年金の受給開始も75歳まで延長できるようになる為、それに合せて改正されることにより、より長く運用することができ、お金を増やせる可能性が高まりますね!
iDeCoに加入して掛金を出し、積立ができるのは現状60歳未満の方です。
しかし、2022年5月からはこの上限が5年延長され、65歳未満の方までiDeCoに加入することができるようになります。
たとえば、毎月2万円ずつ掛金を積み立てている方ならば、5年間で120万円多く積み立てられるようになります。
長期・積立・分散投資を延長された5年間分長く続けることでお金も増やせるようになり、拠出した掛金の所得控除によって所得税や住民税を軽くすることもできるようになります。
現状iDeCoには、60歳未満で国民年金の被保険者であれば加入できることになっていますが、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している人は、規約でiDeCoへの同時加入を認めている会社の従業員に限られていました。
しかし、2022年10月からは、そうした規約による定めがなくてもiDeCoに加入できるようになります。
iDeCoと併用することで、企業型DCの掛金が少なかった方も、最大2万円まで掛金を上乗せすることができ、税控除を受けながら、老後への備えを充実させることが可能になります。
大きな税制優遇のメリットを生かしながら老後資金を用意でき、老後資金を貯めるのに役立つ制度、それがiDeCoです。
そのiDeCoが2022年の改正で受け取り開始年齢や加入可能年齢が引き上げられることで運用期間が増えることはもちろん、これまで活用しにくかった企業型DCの加入者もますます使いやすくなっていくことでしょう。
これまでiDeCoに加入できなかった方も、加入していなかった方もiDeCoを始めて、少しでも多くの老後資金を築いていきましょう。