M字カーブが緩やかに
日本では、子育ての負担が重くなる時期にいったん職を離れ、育児が落ち着いてから再就職する女性が多いです。
働く女性の比率を年齢層ごとに見ると、真ん中でいったん落ち込む「M」の形を描くことから「M字カーブ」と呼ばれています。
日本は、主要国の中でもM字カーブが深刻とされてきましたが、25~34歳の女性に占める働く人は4人に3人に達し、35~44歳でも過去最高となっています。
働き手の減少をにらむ企業が柔軟な働き方を認めるようになり、保育の受け皿も広がっていることなどによるものです。
25~34歳の女性の労働力人口(実際に働いている人と職探し中の人をあわせた人口)は521万人で、同じ世代の女性全体に占める比率は75.1%でした。
これは、前年より0.8ポイント、10年前より7.5ポイント上昇しており、飲食や教育など人手不足のサービス業で働く人が増えています。
35~44歳の女性に占める労働力人口も73.1%と前年より1.3ポイント上がって、最高を更新しました。
「M字カーブはいずれ無くなるだろう」と予測されています。
日本の労働力人口は現在6593万人で、向こう5年間で262万人減少する見込みで、成長の下振れ圧力は一段と強まる見通しです。
M字カーブがなくなるだけではその対策は不十分で、高齢者が長く働ける仕組みづくりや、ロボットを活用した生産性の向上などさまざまな取り組みを強力に推進する必要があります。