2014年度末の外国人の持ち株比率は、
35.3%と半年前より0.3%上昇し
過去最高の水準となりました。
一方、個人株主の比率は、
14.3%と1.1%低下しました。
好業績やリストラの進展、株主還元の増加などを背景に、
海外マネーが株価を支える構造になっています。
トヨタは31.1%と半年前より0.1%上昇し、
好調な北米販売と円安により過去最高益となり、
株価も高値圏にあります。
ソニーは56.6%と半年間で3.8%増え
過去最高となりました。
これは、懸案のパソコンやテレビ事業の構造改革を終え、
画像センサーなど強みを持つ事業へ集中することにより、
収益体質を強化したことが評価されたものであり、
株価は半年前に比べ9割近く上昇しました。
配当など株主還元を増やす企業も
外国人の人気を集めています。
アマダホールディングスは今期までの2年間、
純利益の全額を配当と自社株買いに充てる方針を示し、
46%と半年前より3.5%増加しました。
日本企業の課題は、欧米企業に比べて低いとされる
資本効率にあります。
※資本効率とは
調達した資本の運用効率のこと。高ければ高いほど、
少しの資本で多くの利益を生み出していることになります。
多くの外国人投資家は投資先企業を選ぶうえで、
株主から預かった資本を元手にどれだけ利益を稼げるかを示す
ROEを重視しています。
※ROE:自己資本利益率、当期純利益÷自己資本で算出します。
この数値が高いほど、株主から預かったお金(資本)を効率的に運用できていると
いわれています。
今後より一層の海外マネーの流入を促進していくためには、
成長戦略やROEの向上などで企業の魅力を高めることが
重要となります。