民間の住宅ローンでは疾病保障付住宅ローンのバリエーションが増えてきました。
簡単にそれぞれの内容を説明しますと、
三井住友銀行では、がん・心筋梗塞・脳卒中になった場合(三大疾病といいます)ローン残高を相殺するというもの。
※ただし、がんについては、診断確定で心筋梗塞・脳卒中については、初診日から60日経過後、神経的後遺症が残った場合が適用されます。
保険料は、通常の金利に0.3%上乗せ。(がんのみは、金利に0.2%上乗せ)
一方三菱東京UFJ銀行では、上記三大疾病プラス高血圧疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬
変で、30日間入院(自宅療養も含む)した場合、翌月の住宅ローン返済金額が保険給付金として相殺され、その状態が1年間継続して入院・療養し、いかなる業務にも従事できないと、ローン残高を相殺するというもの。
保険料は、変動し、5年ごとに、上がっていきます。
では、この代表的な2つで、契約者にとってどういうメリット・デメリットがあるか考えてみましよう。
メリット
従来の団体生命保険では、死亡・高度障害の場合のみ住宅ローンが相殺されなかったけれど、
(この7月から、団信に三大疾病特約がついたものが発売されますが)
日本人の死亡原因の半数が三大疾病であることから、住宅ローン債務者にとって病気で働けなくなって、失業し収入が途絶えかつ治療費もかかるという最悪のシナリオになってしまった場合に、住宅ローンを支払うことは難しいため、このような疾病付住宅ローンにしておけばひと安心でしょう。
がん・など重大な病気になって、泣く泣くマイホームを失うかもしれないというリスク
を回避できるかもしれません。
デメリット
保障が手厚いということは、それなりのコストがかかるというもの。
コスト面では、
2000万円の住宅ローン・35年返済・金利3%全期固定・35歳より加入として
試算しました。
三井住友銀行・・・総支払い保険料 142.7万円
三菱東京UFJ・・・総支払い保険料 84.8万円
※あくまでも概算です。詳しくは店頭にて試算していただいてくださいね。
三菱東京UFJのほうが、お安いようですが、ローン残高が相殺される条件として、1年間継続して入院・自宅療養の状態でないと、ローンの残債はOにならないので、心筋梗塞の平均入院日数は29.3日、脳梗塞では102日、糖尿病では42.3日、胃がんで40日という状況のなか、1年も継続して入院となると、よっぽどの状態でないとローン残債は相殺されないと思います。
当たり前の話しでしょうが、簡単にはローン残債は、ゼロにはならないと思っていたほうがいいでしょう。
一方、三井住友銀行の三大疾病では、がんと診断されたら、ローン残債は0なので、相殺される、されないではもめることはなさそうですね。
ただし、初期がんは対象外なので、がんになった→住宅ローンがゼロ。という具合にはなりませんので、気をつけましょう。
あと、急性心筋梗塞・脳卒中で、60日経過後、神経後遺症になった場合は、医師の診断書と保険会社の約款上の規約で、住宅ローンが相殺される、されない場合があるので、
油断してはいけません。
約款をよく確認しておきましょう。店頭での口頭説明でわかったつもりでも、もめるときはなどは約款に書いてある・書いていないで相殺できる、できないは決まります。
いずれにしても、三大疾病・7大疾病付住宅ローンで、残債がゼロになるには、簡単な話ではなさそうです。また、事故などこれらの病気以外に該当してしまい失業してしまった場合は、当然ローン残債はゼロとはなりません。
保障内容とコストを見比べ、がん家系かどうかなど、個別事情もふまえて検討しましよう。
先にも少しふれましたが、団体生命保険に三大疾病特約がついたものが7月1日発売されます。団体生命保険料は、ローン支払い残高げ減るに従い、保険料はだんだん小さくなりますが、それに特約がつくと保険料はどうなるか保険料自体はまだ発表されていませんが、既存の団体生命保険に加入されている方でも、特約として付加できるようです。(ただし健康状態によっては加入できない場合もありますが)
今後、さらなる住宅ローンのバリエーションが増えるようです。