政府が景気判断を下方修正
政府は、3月の月例経済報告で国内景気の判断を引き下げました。
景気判断の下方修正は5カ月ぶりです。
個別項目では、「個人消費」・「企業収益」・「企業の業況判断」を前月と比べ引き下げ、「設備投資」・「輸出」を引き上げました。
「全体の景気判断」に大きく影響したのは、春季労使交渉です。
大企業は、3年連続の賃上げを回答しましたが、給与水準を底上げするベースアップ(ベア)は過去2年に比べ小幅回答が続出し、今後の消費に影響が出そうです。
「個人消費」は、1月の小売業販売額が前月比0.4%減で、特に新車販売台数は14か月連続で前年を下回っています。
「企業収益」は、2015年10~12月期の企業の経常利益合計が前年比1.7%減となりました。
非製造業は12.7%増と好調でしたが、製造業が海外の影響を受け21.2%減と大きく落ち込みました。
「設備投資」と「輸出」は上方修正しましたが、海外経済や企業収益の減速もあり、改善が持続するか不透明な状況です。
経済対策や来年4月に予定している消費増税の実施を巡る議論が今後本格化しそうです。