日本の2015年対中投資は25%減少

 

中国商務省は、2015年の日本の対中投資額が前年比25%減り、32億1千万ドル(約3800億円)になったと発表しました。

 

マイナスは3年連続で、中国の景気減速や人件費の高騰を背景に日本企業の中国離れに歯止めがかかっていません。

 

2015年の世界全体の対中投資額は、前年比6%増加しました。

 

対照的に、日本の中国向け投資は、ピークをつけた2012年の半分以下に減っています。

 

日本の対中投資が減少に転じたきっかけは、尖閣諸島をめぐって日中関係が悪化したことですが、昨年11月に日中両首脳の会談が実現してから関係は改善傾向にあります。

 

にもかかわらず日本企業の対中投資が減り続けているのは、新たに次の3つの悪材料が重なったためです。

 

①中国経済の減速

2015年のGDP成長率は6.9%と25年ぶりの低水準で、ある自動車メーカーは年内に計画していた新工場の建設を見送り

 

②中国沿海部を中心とする人件費の上昇

 北京・上海・広州などの主要都市では人件費が5年で約2倍に上昇したため、生産拠点を東南アジアや日本国内にシフト

 

③中国政府の産業政策の変化

 産業の高度化を掲げる現政権が、外資への優遇分野を製造業から先端技術やサービス業へ転換

 

この傾向は今後も続くため、日本の対外投資の中心は東南アジアにシフトする

ことになるでしょう。