厚生労働省は、
自営業者らが入る国民年金について、
被保険者が納めるべき保険料のうち
実際に払われた割合を示す納付率が
2014年度に63.1%になったと発表しました。
これは、前年度から2.2%の上昇となり、
改善は3年連続となりました。
国民年金は自営業者や
非正規労働者らが加入し、
2014年度末時点の対象者(第1号被保険者)は
1742万人でした。
納付率は対象者全体について、
保険料を納めた月数を納付すべき月数で割って算出します。
雇用の改善で所得が持ち直したことや、
未納者への督促を強化したことが改善に寄与しました。
都道府県別には、
納付率が最も高かったのは島根(76.7%)で、
低かったのは、沖縄(45.2%)、
大阪(54.0%)、
東京(58.8%)となっています。
納付率は1996年度まで
80%を超えていましたが、
2011年度の58.6%を底に改善しているものの、
依然として低水準の状況です。
厚生労働省が発表する納付率は、
低所得者や学生ら
保険料を免除・猶予されている人を対象者から除いて
算出するため、
加入者全体の納付状況を示しているわけではありません。
免除・猶予になっている602万人を
対象に含めた実質的な納付率は40.6%となり、
前年度から0.4%の小幅改善にとどまっています。
25~29歳の納付率は32.1%と、
特に若年層の納付が少ないという状況になっております。
FP相談の現場におきましては、
年金は将来もらえないから、掛け損だということで
納付していない方、そして今後も納付する予定がない
とはっきりおっしゃる方も見受けますが
年金保険料は、将来もらえる年金以外に
あと2つの役割があります。
一つは障害年金・・・障害状態になった場合支払われる年金
2つはめは、遺族年金・・・夫や妻に万が一の場合、遺族に支払われる年金
公的年金を放棄することは、
同時に上の2つの役割を果たす「年金」を
「放棄」することになります。
その場合、民間の保険や個人年金等で
「自助努力」しないといけないわけです。
実際のところ、ご自身でその分をきちんと
備えているかといいますと
できていないケースがほとんどです。
健康で働ける間には、大きな問題になりませんが、
大病し障害状態になった、
万が一の場合になった、(亡くなった)場合
予想できないダメージが襲いかかったとき
公的年金被保険者でないと
単に、老後の年金がもらえる、もらえないという話でなく
大変なことになること、知っていただきたいです。