今年のアジアの成長率は低水準
アジア開発銀行(ADB)は、2016年のアジア地域(日本を除く)の国内総生産(GDP)伸び率が5.7%にとどまる見通しであると発表しました。
前年より0.2%低下し、15年ぶりの低水準となります。
欧米・日本など先進国の景気回復が遅れているほか、中国経済の不振が影響することによるものです。
中国は、労働力人口の減少と賃金上昇に伴い「アジアの工場」として2桁成長を続けた時代は終わり、16年は前年より0.4%低い6.5%、17年も6.3%に減速する見通しです。
中国に代わりアジア経済のけん引役として存在感が増すインドは、16年が7.4%、17年が7.8%と最も高い成長を予想しています。
モディ政権の構造改革と公共事業投資が成長の起爆剤になるとみています。
東南アジア全体では、5%程度の成長を維持します。
フィリピンは内需が堅調で6%前後、インドネシアは財政出動が景気を下支えし5%前後と予測しています。
人口13億人のインド、6億人超のASEANは、中国に引けを取らない一大経済圏になっています。
外需頼みの成長には限界があるため、アジア各国は今後内需振興や生産性向上などの経済改革により、潜在的な成長力を生かしていく必要があります。