日本経済新聞は「中国の4月の新車販売台数は、
前年同期に比べ0.5%少ない約199万台で、
実質2年7か月ぶりのマイナスとなった。
また、1~3月の中国市場での
スマートフォンの出荷台数は前年同期比4%減で、
世界最大の市場が6年ぶりに縮小した。」と報じました。
マイカーブームを支えに、昨年前半まで1ケタ台後半から
2ケタ台の高成長が続きましたが、
景気減速が鮮明になり始めた夏以降は伸びが鈍化し、
3月は3.3%の伸びにとどまっており、
4月の落ち込みは、一時的でない可能性が大きいようです。
4月の内訳は、商用車が17.6%減と
大きく落ち込み、乗用車も3.7%増にとどまり、
背景には中国の企業業績の悪化と個人消費の落ち込みがあります。
一方、スマホについては、
中国市場が成長市場から成熟市場に変化しつつあるのがその要因で、
中国メーカーの東南アジアやインドなどの海外市場への進出が加速すると予想されています。
また、1~4月の不動産開発投資は、
前年同期比6.0%増と6年ぶりの低い水準となっています。
中国全体では、1~3月の成長率は、
前期比1.3%増で、年率換算では5%強にとどまり、
中国政府が、潜在成長率として今年の目標に掲げる
「7%前後」を大きく下回りました。
これは、中国経済が「新常態」に入ったとして
高度成長にこだわらなくなった習近平指導部の想定を
超えている可能性もあります。
景気の下支えを強化するため、
中国人民銀行は、昨年秋以降3度目の利下げを
実施したばかりですが、
市場では早くも、
「金利や預金準備率を一段と引き下げる可能性が増している」
との声があります。
世界第2位の経済大国で
グローバル経済への影響が大きい中国の動向を、
今後注視する必要があります。