中国が6.7%成長に減速
中国国家統計局は、2016年1~3月期の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年比6.7%と発表しました。
成長率は、2015年10~12月期より0.1%縮小し、リーマンショック直後の2009年1~3月期(6.2%)以来、7年ぶりの低水準に減速しました。
中国の景気減速は、牽引力の乏しい世界経済の重荷になっています。
工業生産は前年比5.8%増と、前年通年(6.1%増)から伸びが0.3%鈍りました。
鉄鋼など設備過剰が深刻な重工業は、製品価格が下落するデフレ状態から抜け出せていません。
個人消費は底堅いものの伸び悩み、小売売上高は10.3%増と前年通年(10.7%増)から0.4%減速しました。
一方、投資は、中国政府が景気を支えるためインフラ整備の加速や地方の住宅購入規制の緩和を進めていることもあり上向きました。
建設・設備投資の動きを示す固定資産投資は、10.7%増と前年通年(10%増)より拡大し、不動産開発投資も6.2%増と前年通年(1%増)から加速しました。
しかしながら、投資はいずれも官主導で膨らませた需要であり、持続的な成長につながりません。
製造業の過剰設備の解消が本格化すれば、経済をさらに下押しし失業者も増加します。
経済停滞の出口はまだ見えず、構造調整を行っていくうえで中国当局は今後難しいかじ取りを迫られるでしょう。