中国人民銀行は6月27日、
政策金利である銀行の貸し出しと
預金の基準金利の引き下げを決め、
28日から適用しました。

 

貸出金利(期間1年)を
0.25%下げて4.85%、
預金金利(期間1年)も0.25%下げて
2.0%としました。

 

利下げは5月以来で、
昨年11月以降だけで
4回目となります。

 

中国政府は景気の下支えを強化するため、
6月10日に予算執行の円滑化、
17日に鉄道整備事業や老朽住宅の
立て直しの加速といった措置を決めました。

 

さらに24日には、
銀行の融資残高を預金残高の
75%までに抑える規制の撤廃や
保険会社の資金をインフラ投資に回す
3千億元(約6兆円)の基金の設立を決めました。

 

いずれの施策も伸び悩む投資を後押しし、
企業向け融資を底上げすることが狙いですが、
市場が期待した追加金融緩和に比べ
インパクトに欠けていました。

 

株価の急落は景気の先行き不安を
広げかねないため、
中国当局も追加の一手を打たざるを得ず、
今回の措置となりました。

 

中国政府は
今年の実質経済成長率の目標を
「7%前後」としていますが、
実際には7%を下回る可能性も出てきています。

 

減速に歯止めがかからない景気の
テコ入れを強化するために、
金融政策に加え、

財政資金の活用や
規制緩和などの政策を総動員し、
景気を下支えする局面が当面続きそうです。