消費者ローン融資残高は銀行が貸金業を上回る 銀行による消費者ローンの融資残高が、
2016年3月末で消費者金融やカード会社などの貸金業者の残高を上回りました。
規制強化で融資を伸ばしにくい貸金業者を尻目に、
マイナス金利下でも一定の利ざやを確保できるため、
銀行が攻勢をかけています。
消費者ローンについては多重債務が社会問題化したため、
金融庁が10年6月に上限金利を29.2%から20%に下げるとともに、
貸付総額を年収の3分の1までにする総量規制を導入しました。
これらにより、高金利で貸し付ける業者が減り、市場も健全さを増しました。
日銀などの統計によりますと、銀行の消費者向け貸出金残高は、
3月末時点で前年比11%増の5.12兆円で、貸金業者は同1%増の5.11兆円でした。
双方の差は08年に約11兆円ありましたが、
貸金業者の残高が毎年1兆円超のペースで減り事業者数も半減したこともあり、
今回の逆転につながりました。 銀行は総量規制の対象外で、
相対的に信用力の高い顧客に低金利で貸し出し、残高を伸ばしています。
日銀のマイナス金利政策で全体の利ざや収入が縮小する中、
年利1~14%程度の消費者ローンは数少ない成長分野で、
利ざや確保の有力な手段と位置づけています。