「住宅ローンの繰り上げ返済と教育費」について

住宅購入も無事終了して、
ようやく落ち着かれて約2年が経過したAさんのご相談ですが・・・・

Aさんのご相談内容は
家の購入後、臨時出費が多く、思ったように貯金ができません。
繰上げ返済を計画していたのに、このままではできそうもない。
繰り上げ返済は、はやくやれば、やるほどオトクときいていましたが、どうしたらいいでしょうか?
という内容でした。



「繰り上げ返済」については確かに住宅購入から早めに行なうと「利息軽減効果」が高いといわれています。
住宅ローンによっては、繰上げ返済手数料無料・・・をうたい文句にしているものもあります。果たして、本当にそうでしょうか???


3000万円 35年返済 金利3% 長期固定金利の場合

住宅購入3年後に300万を期間短縮型により繰り上げ返済した場合
→利息軽減効果419万円 返済期間約5年の短縮

住宅購入22年後に300万を期間短縮により繰り上げ返済した場合、
→利息軽減効果121万円 返済期間約3年の短縮

たしかに、住宅購入後から3年経過後に300万繰上げ返済しますと
ローン利息の節約は約420万円とかなりインパクトのある数字になります。

この繰上げ返済効果に驚かれ、一度やると面白くなり小金がたまるとせっせと
がんばってしまう方も多いですね。

ただし繰り上げ返済をする前に、小さいお子様がいらっしゃる場合、要注意です。

たとえば、お子様の教育費の準備がまだできていない、できそうもない場合です。

「繰り上げ返済」は余裕資金でといわれていますが、私が拝見した家計のなかで
親の贈与・相続がらみでお金をもらったというケースは別として、
「繰り上げ返済にまわすほどの余裕」のある方は少なく、
多くの方は、教育費になんらかの理由により不安があるようです。

もちろん、教育費が不足すれば最後の奥の手!
「奨学金」を借りればいいじゃない?
自分の学費は将来、働いて返済する・・・立派です!

ただ、もっとその先をいうと、過去に奨学金を借りて、
社会人になった方、住宅購入のための頭金が奨学金の返済で
なかなか貯まらないという家計のご相談があることも事実です。


「繰り上げ返済」がいけないというわけではありませんが、
やりすぎて「繰り上げ返済ビンボー」
「退職後、住宅ローンもないがお金もない」とならないように気をつけたいものです。

そのためにも、ライフプラン、キャッシュフローを作成し教育資金の準備に支障がないか
確認しておくと安心です。