国民年金や厚生年金に加入している人には、日本年金機構から年に1回「ねんきん定期便」が郵送されます。
でも正直、細かい文字でいろいろ書かれていますが、どこを見ていいかわからないという方も多いですよね。
今回は、ねんきん定期便の見方についてご紹介いたします。

そもそもねんきん定期便って?

ねんきん定期便とは、「公的年金制度の加入状況」や「将来もらえる老齢年金見込額」

などが記載されたハガキです。


毎年の誕生月に、年金加入者全員に日本年金機構から郵送されます。

ねんきん定期便は、主に次の4種類に分けられます。


①50歳未満の人の定期便
②50歳以上の人の定期便
③年金受給者の定期便
④35歳・45歳・59歳の人の定期便

①~③はハガキで届きますが、④だけは封筒で届きます。

ねんきん定期便に書かれてあること

50歳未満や50歳以上の人、年金受給者のねんきん定期便に記載されている「公的年金制度の加入状況」は次の2つです。

①これまでの保険料の納付額(累計)
②直近1年1か月の公的年金の加入状況(月別)

一方、35歳・45歳・59歳の人のねんきん定期便には、これまでに加入した年金記録の全てが月ごとに記載されています。
ねんきん定期便に記載されている「将来もらえる老齢年金見込額」などについては、年齢などによって次の3つに区分できます。

① 50歳未満の人
⇒これまでの加入実績に応じた老齢年金見込額
(これから支払予定の保険料は含まない)
②50歳以上で年金を受け取っていない人
⇒現在の加入状況が60歳まで継続すると仮定しての老齢年金見込額
③年金受給者
⇒記載なし

今回は「50歳未満の人の定期便」を中心に解説していきます。

ねんきん定期便の見方(50歳未満の方対象)


50歳未満の人に送付されるねんきん定期便の表面のイメージと記載内容については次の通りです。

▼令和4年度「ねんきん定期便」50歳未満(表)           

                        

① 照会番号:専用窓口にお問合せをする際に使う番号となります。
② これまで(昨年までと今年まで)の加入状況に応じた老齢年金見込額が記載されています。
左から過去・現在・未来の年金額となり、一番右のグラフは、年金をもらう年齢を70歳まで遅らせた場合の年金額が42%増える繰下げ制度を活用した際のイメージです。
③ 直近1年1か月の公的年金の加入状況が月別に記載されています。 


次に、ねんきん定期便の裏面のイメージと記載内容は次の通りです。

▼令和4年度「ねんきん定期便」50歳未満(裏)

④ これまでの保険料納付額(累計額)
これまでに支払った保険料の累計額と、国民年金・厚生年金・共済年金ごとの内訳が記載されています。
⑤ これまでの年金加入期間
これまで年金に加入した月数(年金加入期間)と、国民年金・厚生年金・共済年金ごとの内訳が記載されています。右から2番目の項目は、合算対象期間等という項目で、保険料を払っていなくても、払っていたとして取り扱ってくれる期間です。年金がもらえる条件を満たすかどうかを見る時に重要になってきます。
⑥ 老齢年金見込額
これまでの加入状況に応じた老齢年金の見込額と、老齢基礎年金・老齢厚生年金ごとの内訳が記載されています。
⑦ アクセスキー
ねんきんネットに登録するための番号です。

ねんきん定期便のチェックポイント

50歳未満の人のチェックポイントは、「直近の加入状況」と「これまで年金に加入した月数」です。
50歳以上の人との違いは「老齢年金見込額」の見方です。

1.50歳未満の人
これまでに加入実績に応じた老齢年金見込額(これから支払予定の保険料は含まない)
2.50歳以上の人
現在の加入状況が60歳まで継続すると仮定しての老齢年金見込額

この違いを理解していないと、年金の見込額が思っていたものより少なく「公的年金は当てにならない」などと勘違いしてしまうことになります。
50歳未満の人は、少なくとも60歳まで(厚生年金の加入者は最長70歳まで)公的年金に加入するため、実際の老齢年金額は、ねんきん定期便記載の見込額を上回ります。

ねんきん定期(50歳未満の方)まとめ


これまでの年金記録に誤りがないか確認するとともに、老齢年金見込額をチェックして老後生活の資金対策に活用しましょう。

もし記載内容に誤っている点や、気になる点、これまでの加入実績に応じた年金額が表示されていない場合は、ねんきん定期便に記載のお問い合わせ先に連絡して確認すると良いでしょう。

ねんきん定期便に記載されている老齢年金見込額は、50歳未満の人はこれまでの加入実績に応じた老齢年金見込額(これから支払予定の保険料は含まない)など前提条件が異なるので注意が必要です。

60歳以降の厚生年金加入や国民年金の任意加入や、繰下げ受給の選択によって老齢年金額を増やすことも可能になります。

人生100年時代に備えて、早めの老後対策をしてみてはいかがでしょうか。